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映画『桜色の風が咲く』劇場公開のお知らせ

  1. お知らせ

社会福祉法人全国盲ろう者協会さんより、映画『桜色の風が咲く』劇場公開のお知らせです。

 

当協会福島智理事(東京大学教授)をモデルとした映画『桜色の風が咲く』が、11月4日より、全国の映画館で上映されます。多くの皆様にご覧いただければ幸いです。

 

『桜色の風が咲く』

この世界には、それでも光が満ち溢れている

9歳で失明、18歳で聴力を失いながらも世界ではじめて盲ろう者の大学教授となった東京大学先端科学技術研究センター教授 福島智の生い立ちを描いた実話

 

story:実話をもとに描く、真摯で温かな人間賛歌
教師の夫、三人の息子とともに関西の町で暮らす令子。末っ子の智は幼少時に視力を失いながらも、家族の愛に包まれて天真爛漫に育つ。やがて令子の心配をよそに東京の盲学校で高校生活を謳歌。だが18歳のときに聴力も失う……。暗闇と無音の宇宙空間に放り出されたような孤独にある息子に立ち上がるきっかけを与えたのは、令子が彼との日常から見出した、新たなコミュニケーションの“手段”だった。勇気をもって困難を乗り越えていく母子の行く手には、希望に満ちた未来が広がっていく……。

 

チラシ(PDF:201KB)

 

公式サイト:gaga.ne.jp/sakurairo  公式ツイッター:@sakurairo114

 

残念ながら山陰両県で現在のところ、上映情報はありませんが、『桜色の風が咲く』映画化における下記の参考文献は、鳥取県盲ろう者支援センターTDBライブラリーに蔵書があります。他にも福島さん関係の書籍、映像資料多数あります。

 

劇場上映がなくても、ええがな大山さんが近日中に上映会を開かれるはずですので、それまでにぜひ、本からどうぞ!

 

福島令子著書
「さとしわかるか」(朝日新聞出版社、2009年)

目も見えず、耳も聞こえない「盲ろう者」でありながら昨秋(2008年)、東大教授となった福島智氏。9歳で失明してから、18歳で耳が聞こえなくなり、「指点字」という独自の会話法を編み出すまでの苦難の日々を、母親である令子さんが初めて綴った感動の子育て、闘病記として話題となる。
(書籍は現在品切れ、電子書籍(amazonkindle)で購入可能)

福島令子 プロフィール

昭和8年(1933)静岡県生まれ。昭和16年に中国・青島に渡り、終戦の前年に帰国。病気療養のため、京都府立福知山高等学校普通科を2年で中退し、その後、福知山文化服装学院に入学。洋裁の初級教員免許を取得。昭和30年(1955)5月に福島正美氏と結婚。昭和37年に三男の智氏を出産。智氏の闘病生活を支える日々が始まる。平成8年(1996)、智氏とともに「重複障害を持ちながら、自立の為に、母子一体となって尽力する姿は、多くの人々に生きる勇気を与えている」とし、吉川英治文化賞を受賞。講演活動なども行ってきた。

福島智著書
「盲ろう者として生きて」(明石書店、2011年)

幼くして視覚を、ついで聴覚を喪失し、深い失意と孤独の中に沈んでいた著者が「指点字」という手段によって他者とのコミュニケーションを回復し、再生するに至るまでを綿密にたどり直した自伝的論文。人間にとって他者とのつながりがいかに大切かが分かる本。

「ぼくの命は言葉とともにある」(致知出版社、2015年)

3歳で右目を、9歳で左目を失明、14歳で右耳を、18歳で左耳を失聴し、光と音の世界を喪失した福島智氏。氏は当時のことをこう綴っている。「私はいきなり自分が地球上から引きはがされ、この空間に投げ込まれたように感じた。自分一人が空間のすべてを覆い尽くしてしまうような、狭くて暗く静かな『世界』。ここはどこだろう。(中略)私は限定のない暗黒の中で呻吟(しんぎん)していた」

著者はまず他者とのコミュニケーションをいかに復活させ、言葉=情報を再び得ることができるようになったかを語る。だがそれはプロローグにすぎず、自ら生きる意味を問い、幸せの在処を探し求める。その深く鋭い思索の足跡は、両親や友、師との交流に始まり、フランクルや芥川龍之介、北方謙三といった人物たちの著書や谷川俊太郎、吉野弘の詩、はたまた落語にまで及んでいく。苦悩の末に著者が見出した生きる意味、幸福の形は読む者にもまた深い思索をもたらしてくれるであろう。人間と人間が本当に繋がり合うとはどういうことか、仲間との信頼関係を築くためには何が大事かといったことが説得力を持って迫ってくる。