全国協会 福島理事からのメッセージ
2023年度「全国盲ろう者大会」中止にあたり思うこと
社会福祉法人 全国盲ろう者協会 福島 智 理事のメッセージを一部抜粋して掲載いたします。
全国の盲ろう者のみなさん、盲ろう者に日々寄り添ってくださっている多くのみなさん、お元気でお過ごしでしょうか。
コロナ禍の日々もかれこれ3年になろうとしています。新型コロナウイルス感染症のまん延という思いもしなかった状況により、私たちのこれまでの生活に大きな影響がありました。マスク着用を初めとして、あらゆる場面で様々な制限を受けています。こうした日々の中で、うんざりするとともに、「コロナウイルスよ、早く消えてなくなってくれ」という思いでいっぱいです。
全国盲ろう者協会では、全国盲ろう者団体連絡協議会と共に、今年の夏の大会開催について、これまで議論を重ねてきました。大会を待ち望んでおられる盲ろう者の声も多く聞いていますので、なんとか開催できないものかと検討しました。全国の仲間が年に一度集う大会は、仲間との再会や出会いを通して、われわれ盲ろう者が直接コミュニケーションを交わすことのできる唯一の機会です。この大会を通じて、「また1年頑張ろう、また1年後に再会しよう」というように、それぞれの生きがいの原動力になっていると言っても過言ではありません。
一方で、密接なコミュニケーションを必要とするのが盲ろう者であることも事実です。これにより、もし一人でも感染者がいた場合、それに伴い感染のリスクは高くなると言わざるを得ません。また、感染後の病状によっては、入院等も出てくるかもしれません。私もコロナではありませんが、かつて入院した経験があります。一人になる時間が多く、コミュニケーションが遮断されるという状況は、もう味わいたくない経験です。
こうしたさまざまな面を考えますと、今回の政府の「方針転換」の発表により、直ちに「今年から全国大会が開催できる」とは、とても言えないと思います。
もう少しだけ、このコロナの行方を見守りましょう。元気でいれば、必ず再会できます。
互いに笑顔で語り合える機会が早く訪れますよう、心から願っています。もう少しの我慢です。